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新聞で見る阿波おどり

昭和編
新聞記事
徳島新聞
1998年7月30日掲載
執筆者 石川文彦
多様化

“ジャズ踊り”は排除

 大正期に鳴り物として西洋楽器が登場したが、昭和に入ってもいろいろな楽器が使われている。
三味線や太鼓、尺八が中心であることに変わりはないが、新聞によるとバイオリンやハーモニカは相変わらず使用された。そのほか鉦、鳳尾琴、バラライカ、四つ竹、しの笛、タンバリン、ビールの空き瓶、金だらいなど多彩だ。三(一九二八)年の御大典奉祝踊りからは大太鼓が顔を見せ、観客を驚かせた。


昭和に入ってから若者の間で流行したダンダラばっち姿。西新町で

 服装はそろいの浴衣姿が多くなったが、観光客に優美な踊り姿も知ってもらおうと、一時ほとんど姿を消していた長じゅばんに編み笠の鳥追い姿も再登場した。また若者の間には赤、白、黄色のパンツや、ダンダラばっち姿もみられた。

 ■本質を失う■

 踊り自体も、ダンスのステップをまねる者が現れた。ダンダラばっち姿、法被姿などとともに、こうした踊りのジャズ化が阿波踊りの本質を失うとして非難されるようにもなった。

 七年八月十一日付徳島毎日新聞阿波踊り特集号の「踊りのジャズ化を排す」(東富田、加賀一郎)によると、御大典奉祝踊りの際に盆踊りが十分踊れない学生がハーモニカとタンバリンを奏しながら踊ったのに刺激され、その後一部の者がまねたのがジャズ化の最初だそうだ。

 加賀はジャズ化について、踊りで最も大切な美的普遍性が欠けており、一般化していないと断言。
「若い人々の一時的な局部露出症」で、年を取ると「従来の盆踊りの主流の中に溶け入って来る」人もよく見掛けるとして、あくまで「派生的な存在であって、傳統(でんとう)的な阿波踊りの主流を毫(ごう)も汚すものでない事を信ずる」と言っている。

 ■協会が審査■

 この七年には徳島観光協会の運動もあってジャズ踊りは少なくなったが、一部の若者に根強い人気があった。その後も毎年のように同協会や商工会議所が「踊りの優美さを傷つけるな」と呼び掛けており、十一年にはジャズ化を排撃し純粋な踊りを広めようと、協会の踊り審査場では優秀な踊り団体に観光協会長カップを授与することとなった。それまでは審査場といっても、踊り込んで来た全団体に各新聞社などが提供した優勝旗を手渡していた。

 審査の基準として▽整備された古典的な服装▽三弦鳴り物の充実したもの▽統一した踊り方▽踊りと鳴り物と服装が調和している▽十人以上の団体で大衆的―の五項目を挙げ、審査員が点数化した。

 昭和に入り自動車交通が急速に発達したことから観光客だけでなく、踊り連が小松島や鴨島、撫養から徳島市内に乗り込んでくるようになった。

 踊り期間中の交通規制も始まり、五年に新町橋筋は車馬通行止めに。翌年からは西横町、東船場方面の車の通行を遮断、以後踊り期間中の通路変更も行われた。


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